シンガプーラの朝ブラシ|20秒で慣れる
| 文:野村 太一(ペット系フリーライター) | カテゴリ:ケア

小柄なシンガプーラに、ブラシを好きになってもらうための20秒習慣。通り道で背中だけから始める、無理のない毎日のお手入れです。
シンガプーラの朝ブラシ|20秒で「触られるのが平気」を育てる
シンガプーラは小柄で、短くなめらかな被毛が魅力の猫です。長毛種ほど毛玉を心配する場面は多くありませんが、ブラッシングを「抜け毛を取る日」だけのものにしてしまうと、道具を見ただけで身を引くことがあります。
そこで試したいのが、朝の通り道で行う20秒のなでブラシです。きれいに仕上げるより、「背中にブラシが触れても大丈夫」と思ってもらうことが目的。短い時間を気持ちよく終えるほど、換毛期や汚れを見つけたときのお手入れも進めやすくなります。
まずは「通り道」をお手入れ場所にします
抱っこして連れて行くより、猫が自分から通る場所のほうが始めやすいものです。たとえば、朝に窓辺へ向かう途中、キャットタワーへ上る前、飼い主さんの足元を通るタイミングなどが向いています。
準備するのは、やわらかいラバーブラシか、目の細かすぎない獣毛ブラシを1本だけ。道具を増やさず、毎回同じ場所に置くと、猫にも流れが伝わりやすくなります。
「来たら1回なでる」「離れたら追わない」くらいが、最初のちょうどよさです。
20秒は、背中から腰までで十分です
最初から全身をとかそうとしなくて大丈夫です。シンガプーラが立ったまま、またはくつろいでいるときに、毛並みに沿ってゆっくり動かします。
おすすめの順番は次の通りです。
- 1〜5秒:背中の中央を手でなでて合図する
- 6〜15秒:肩から腰までを2〜3回、軽くブラシする
- 16〜20秒:手でなでて終了し、静かに離れる
毛が取れなくても成功です。ブラシをかけたあとに耳が横へ倒れる、しっぽを強く振る、体を低くして離れようとするなら、その日は手でなでるだけで終えましょう。嫌がる前に終わることが、次回につながります。
お腹・内股は「今日は触らない」が正解の日も
短毛の猫でも、脇やお腹、内股は触られることを苦手にしやすい場所です。ここを急いでブラッシングすると、背中まで苦手になってしまうことがあります。
まずは背中の20秒を1〜2週間ほど続け、猫がブラシを見ても逃げなくなってから、脇腹を一往復だけ追加してみましょう。お腹は仰向けにさせて行う必要はありません。横になっているときに、手でそっと毛並みを整える程度で十分です。
抜け毛より「皮膚と触られ方」を見ます
短時間のブラッシングには、毛並み以外の小さな変化に気づきやすいよさもあります。毎日同じあたりを触るからこそ、いつもとの違いがわかります。
次のような様子が続くときは、無理に続けず、動物病院に相談しましょう。
- 特定の場所だけ触ると怒る、逃げる
- 赤み、かさつき、べたつきが見える
- フケが急に増えたように感じる
- 同じ場所をしきりになめたり、毛が薄くなったりしている
「ブラシが嫌い」と決めつけず、触られたくない理由がないかを見ることも、毎日のお手入れの大切な役目です。
ブラシを見せるだけの日があっても大丈夫
忙しい朝や、猫が遊びに気持ちを向けている日は、ブラシを1回通すことにこだわらなくてかまいません。そばに置いて、手で背中をなでて終えるだけでも、道具への安心感は少しずつ積み重なります。
キャットタワーの上で耳を前に向け、部屋をきりっと見渡しているときのシンガプーラは、気分が乗っていれば短いタッチを受け入れてくれることがあります。ただし、高い場所で身を乗り出すようなら安全優先です。降りてきてから、いつもの通り道で始めましょう。
毛を取るためだけではなく、触れ合いを毎日の小さな習慣にする。20秒のなでブラシは、シンガプーラの軽やかな暮らしに無理なくなじむお手入れです。