ノルウェージャンの車移動|安全な座席と暑さ対策
| 文:藤巻 れい(ペットフード・ニュートリションアドバイザー) | カテゴリ:おでかけ

ノルウェージャンフォレストキャットの車移動を安全にする、キャリーの置き方・暑さ対策・1分から始める慣らし方を紹介します。
ノルウェージャンフォレストキャットは、ふわりと豊かな被毛と大きめの体が魅力です。そのぶん車で移動するときは、「入れれば大丈夫」ではなく、キャリーの広さ、置き場所、温度まで丁寧に整えたいところ。通院はもちろん、急な避難や引っ越しでも慌てないために、短いドライブから車内の安心を育てていきましょう。
車内で自由にさせないのが、いちばんの近道
車に乗せるとき、猫を抱っこしたまま助手席に座らせたり、車内で自由に歩かせたりするのは避けましょう。急ブレーキやドアの開閉で思わぬ事故につながるうえ、運転する人の注意も散ってしまいます。
ノルウェージャンフォレストキャットは体格がしっかりしている子も多いため、体を丸めずに伏せられ、向きを変えられるサイズの丈夫なキャリーを用意します。キャリーは後部座席の足元など、ぐらつきにくい場所へ。座席に置く場合は、シートベルトなどで動かないよう固定してください。猫をキャリーや車移動に少しずつ慣らすこと、慣れた毛布を入れることは、移動時の安心につながります。(avma.org)
車内の目標は「静かに我慢させる」ことではなく、揺れても隠れていられる小さな安全地帯をつくることです。
出発前は「3つのにおい」を入れておく
出発直前に新しい敷物へ替えるより、ふだん使っているものをキャリーに入れるほうが落ち着きやすいことがあります。おすすめは、次の3つです。
- いつものベッドやタオル
- 飼い主さんのにおいが少し付いた薄手の布
- 使い慣れた小さなおもちゃ
ただし、ひもが長いおもちゃ、誤って飲み込みそうな部品があるものは入れません。敷物は厚く重ねすぎず、暑い時期は吸湿性のよい薄手のタオルに。長毛のノルウェージャンフォレストキャットは暑さがこもりやすいため、出発前に軽くブラッシングして抜け毛を減らしておくと、キャリー内の蒸れ対策にもなります。
暑さ対策は「冷やしすぎない」が基本
車内は短時間でも温度が変わりやすく、日差しがキャリーに当たり続けるだけでも猫の負担になります。エアコンの風を直接当てるのではなく、車内全体を穏やかに整え、キャリーの半分ほどに薄い布を掛けて視界と日差しをやわらげます。通気口まで覆わないことが大切です。
とくに夏は、「少しの用事だから」と猫だけを車内に残さないでください。停車中にキャリーを開けて空気を入れたくなっても、屋外や駐車場では脱走の危険があります。扉は閉めたまま、必要に応じて安全な場所で車内環境を整えましょう。
最初の練習は、エンジンをかけない1分から
いきなり病院まで走ると、猫にとって「キャリー=怖い車=嫌な場所」という印象になりがちです。段階を小さくして、成功したところで終えるのがコツです。
- 室内でキャリーに入り、おやつを食べる
- 車に乗せるが、エンジンはかけずに1分で戻る
- エンジンをかけて数分座る
- 家の周りを短く一周する
落ち着いて帰宅できたら、静かな部屋でいつものごはんや休息へつなげます。鳴く、よだれが多い、呼吸が荒いなど、移動のたびに強い負担が見られる場合は、無理に練習を進めず動物病院に相談しましょう。
防災にも役立つ「車内ポーチ」をひとつ
車での移動準備は、災害時の同行避難にもそのまま役立ちます。環境省も、日頃からキャリーバッグやケージに慣らし、水・食料・常備薬などを備えることの重要性を案内しています。(env.go.jp)
キャリーのそばには、小さなポーチを常備しておくと安心です。
- 飲み水と折りたたみ式の器
- ペットシーツと排泄物袋
- タオル、ウェットシート
- 迷子札・連絡先メモ
- 服薬中なら必要な薬と記録
通院、遠出、避難。目的は違っても、愛猫が「キャリーに入れば、ちゃんと家へ帰れる」と覚えてくれることが何よりの備えです。明るいキッチンでなでられてご機嫌に喉を鳴らす、いつもの時間を守るために、次の休日は車に座る1分練習から始めてみませんか。