室内猫の運動不足を解消する|遊びと環境づくりで肥満を防ぐ
| 文:相志田 健治(猫の健康・予防ライター) | カテゴリ:健康

完全室内飼いの猫は運動不足になりがち。1日10分の遊びと、上下運動できる環境づくりで、健康的な体型と心の満足を両立させましょう。
室内飼いの猫が運動不足になりやすい理由
完全室内飼いは交通事故や感染症のリスクを避けられる安全な飼い方ですが、その一方で運動量が不足しやすいという課題があります。外を自由に歩き回る猫と比べ、行動範囲が限られるため、意識して体を動かす機会をつくらないと、あっという間に運動不足と肥満に傾いてしまいます。肥満は糖尿病や関節への負担、心臓への負担など、さまざまな病気の引き金になります。
猫は本来、狩りをする動物です。短時間で爆発的に動き、すぐ休むという「狩りのリズム」を持っています。この習性に合わせた遊びと環境づくりが、運動不足解消のカギになります。
1日10分の「狩りごっこ」を習慣に
猫じゃらしや猫用のおもちゃを使い、獲物を追いかけるような動きを再現してあげましょう。ポイントは、おもちゃを猫から「逃げる」ように動かすことです。床を這わせる、物陰に隠す、急に止めるといった緩急をつけると、本能が刺激されて夢中になります。
1回5分を1日2回程度が目安です。最後は必ず「捕まえさせて」達成感を与え、その後に食事やおやつを与えると、狩り→食事という自然な流れになって満足度が高まります。
上下運動できる環境をつくる
猫は平面よりも高低差のある空間を好みます。キャットタワーや壁付けのステップ(キャットウォーク)を設置すると、ジャンプや昇り降りで自然と運動量が増えます。窓際に高い場所をつくれば、外を眺める「見張り」も楽しめて一石二鳥です。
設置するときは、転落してもケガをしにくいよう、着地点に十分なスペースを確保しましょう。シニア猫には段差を低めにした緩やかな設計が安心です。
ごはんを使って体を動かす
「フードを器で出す」のをやめて、知育トイ(パズルフィーダー)や、家のあちこちにフードを隠す「ノーズワーク」を取り入れると、探して動く時間が増えます。早食い防止にもなり、満腹感も得やすくなります。
多頭飼いなら猫同士の遊びも
相性のよい猫同士なら、追いかけっこや取っ組み合いで自然と運動になります。ただし一方的に追われてストレスを感じる子がいないか、様子をよく観察してください。
よくある質問
Q. 遊んでも興味を示しません。 A. おもちゃの種類を変えてみましょう。羽根、ボール、けりぐるみなど、好みは猫によって異なります。同じおもちゃは飽きるので、数種類をローテーションするのも効果的です。
Q. シニア猫はどのくらい運動させるべき? A. 無理は禁物です。短時間の遊びを、その子のペースに合わせて。寝ている時間が増えるのは自然なことなので、起きているときに軽く誘う程度で十分です。
遊びは運動であると同時に、猫との大切なコミュニケーションの時間です。毎日少しずつでも、一緒に体を動かす習慣をつくってあげましょう。