ベンガル猫のホテル預け|においで作る安心基地
| 文:岡崎 みどり(シニア猫ケアアドバイザー) | カテゴリ:おでかけ

旅行や急な予定でベンガル猫をペットホテルに預ける前に。いつものタオルとキャリーを使い、3日前から始める「におい引っ越し」で安心できる居場所を用意するコツを紹介します。
旅行や急な入院、住まいの事情などで、ベンガル猫をペットホテルに預ける場面はいつか訪れるかもしれません。好奇心が強く、家では堂々として見えるベンガル猫でも、知らない音やにおいに囲まれると落ち着きを失うことがあります。
そこで役立つのが、家のにおいを少しずつホテルへつなぐ「におい引っ越し」です。大がかりな準備ではなく、いつも使っている布やキャリーを味方にする方法です。
ベンガル猫は「変化の刺激」を受け取りやすい
ベンガル猫は遊び好きで行動範囲も広く、環境への関心が高い傾向があります。そのぶん、ホテルの扉の開閉音、ほかの動物の気配、消毒剤など、家にはない刺激を次々と受け取ります。
落ち着かないときに、慣れたにおいのする寝具やタオルがそばにあると、「ここにもいつもの場所の一部がある」と感じやすくなります。新しい物を買い足すより、ふだん猫が使っている物を選ぶことが大切です。
ホテル用だからと、出発直前に寝具を洗いたくなることもありますが、今回は洗わないほうが安心材料になります。
3日前から始める「におい引っ越し」
準備は、預ける3日前を目安に始めます。用意するのは、普段から使っている小さめのタオルやブランケットを2枚ほど。毛が付きすぎている場合も、無理に完璧に取り除かなくてかまいません。
- 1枚目は、いつもの寝床やソファに置きます。
- 2枚目は、キャリーの中に敷きます。
- 夜に飼い主さんのそばで過ごす猫なら、短時間だけ膝やソファに置いて、家族のにおいを移しておきます。
特に、飼い主さんの隣でくつろぐのが好きな子には、ソファで使っている薄手のひざ掛けが向いています。ただし、ほつれや長い糸が出ている布は避けましょう。爪が引っかかる心配があります。
キャリーは「移動箱」ではなく小さな部屋に
ホテル当日にだけキャリーを出すと、猫にとっては不吉な箱になりがちです。預ける1週間ほど前から、扉を開けたまま部屋に置き、におい引っ越し用のタオルを敷いておきましょう。
ベンガル猫が自分から入ったら、静かに声をかける程度で十分です。おやつを奥に置く場合も、毎回誘い込もうとせず、「入っても出ても自由」な時間を作ります。
キャリー内で過ごせる時間は、最初は1分で構いません。扉を閉める練習は、猫が中で落ち着いて座れるようになってから、数秒ずつ始めます。嫌がって体をぶつける場合は、その日は扉を閉めずに終えましょう。
ホテルへ渡す物は、少なく・具体的に
持ち物が多すぎると、ホテル側で管理しにくくなったり、紛失の心配が増えたりします。まずは予約先のルールを確認し、その範囲で厳選します。
おすすめは次の3点です。
- においの付いたタオル:寝床用として1〜2枚
- いつものフード:小分けにして、食事ごとにラベルを付ける
- 短い生活メモ:食事量、好きな遊び、苦手なことを簡潔に
生活メモには、「夜は毛布をふみふみする」「大きな物音で隠れやすい」など、その子らしい行動を書いておくと役立ちます。ベンガル猫は遊びの要求がはっきりしている子も多いため、普段好きなおもちゃが持ち込み可能かも事前に聞いておくと安心です。
預ける朝は、長いお別れをしない
当日は、出発前にいつもどおりトイレ、水、食事の様子を確認します。キャリーへ入れる直前まで追いかけ回さず、静かな部屋で自然に入る流れを作りましょう。
ホテルに着いたら、飼い主さんが不安そうに何度も声をかけ続けるより、スタッフへ必要な情報を渡して、落ち着いて退室するほうが猫も切り替えやすくなります。
Q. タオルは帰宅後、すぐ洗うべき?
ホテルのにおいが付いているため、帰宅直後は洗濯に回して問題ありません。ただし、家に戻ってから猫が落ち着かない様子なら、洗う前のタオルをキャリー近くに短時間置き、移動の記憶をゆるやかに終わらせる方法もあります。
預けた後に食べない、排泄がない、普段と違う様子が続くなど心配な点があれば、ホテルと動物病院に相談しましょう。次に預ける機会のためにも、帰宅後の様子をひとことメモしておくと、その子に合う準備が見つけやすくなります。